【重版情報】『ミツバチおじさんの森づくり』2刷達成しました

こんにちは。ナチュスピ営業部です。いつもお世話になりありがとう存じます。

 

このたび、お陰様で姉妹会社ライトワーカー刊『ミツバチおじさんの森づくり~日本ミツバチから学ぶ自然の仕組みと生き方~』(吉川 浩:著)を重版いたしました。某密林では品切れ状態が続いており、ご迷惑をおかけしました。

こちら、こういうご紹介の仕方も何だとは思いますが、スピではありません(※個人の感想です)。自然農法をやってみたい、養蜂が知りたい、ハチ(ミツバチ)が好き。そんな大人さんからお子さんまで幅広く親しまれております。

 

オールカラーで図表が多く、説明がわかりやすいし、たぶん普段なかなか見ることのないハチさんを写真でじっくり見ることができます。

※とは言えいきなり写真を載せるのは差し控えます。

 

ですが、内容はなかなか穏やかではありません。著者の吉川浩さんは日本ミツバチの巣箱を設置する活動を広げています。なぜなら、大昔から生きてきた日本ミツバチが今、危機的な状況にあるからです。

 

これを読んで思い出した本があります。『ハチはなぜ大量死したのか』(ローワン・ジェイコブセン著、文春文庫)。「蜂群崩壊症候群」という現象により、世界中の養蜂場でミツバチが忽然と姿を消し、あるいは大量死している実態を追ったドキュメントです。一昔以上前の話ですが、聞いた方もいらっしゃるかも知れません。

 

ミツバチが死んで何が困るかというと、彼らがハチミツを作る過程で大量の農作物を受粉させ、人間はその野菜や果物を食べる、そのシステムが崩壊してしまうのです。農業は驚くほど人間以外の動物に助けられているのです。

そのバランスが崩れれば、ある年はこの野菜が食べられず、次の年にはあの果物が実らず……そうしていつか、人間は食べるものがなくなってしまうかも知れません。

 

『ハチはなぜ~』文庫版では、著者は日本ミツバチが状況を改善するカギかも知れないと述べています。ハチの失踪や大量死にはいろいろな要因が考えられるのですが、日本ミツバチはそれに対抗する術を持っているかも知れないというのです。

 

ですが、じゃあ日本は大丈夫! ではありません。

詳しくは吉川さんの本で紹介されていますが、日本ミツバチもまた、外来種、病気、繫殖環境の減少などでその数を減らしているのです。

 

一般的なスーパーマーケットでハチミツの棚を見ると、国産ハチミツは高価だし種類も少ないですよね。日本ミツバチの数が少ないので、吉川さんが生産するハチミツも、いくらおいしくて人気があっても大量生産はできないのだそうです。

 

ハチがいなくなれば、あるいは数が減れば、その他の農作物も影響を受けます。

ただでさえ低いといわれる日本の食料自給率(2020年度で約37%・カロリーベース)が、さらに打撃を受けることになるのです。

そんな未来を避けるべく、吉川さんは活動を続けています。

 

吉川さんが目指すミツバチとの共存のように、自然のバランスを狂わすことなく、長期的にその恩恵にあずかることができる。

そんな循環型社会こそ、今、求められているものではないでしょうか。

 

『ミツバチおじさんの森づくり』が、より多くの方にミツバチに関心を持っていただくきっかけになれば幸いです。

 

 

文:健脚ペガソス

営業部所属。新刊・重版情報などをお送りします。インスタでは神保町散策編なども担当しています。どうぞよろしくお願いいたします。

健脚ペガソス
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