善行とはなんだろう。
ある日の電車でおこったお話をご紹介いたします。
営業先に向かうため、電車に乗りました。
ある駅でベビーカーを押す中国人のご家族が隣に座りました。
赤ん坊がわたしに興味を持ったらしく、「×××!×××!」とわたしの顔を指を差して笑っています。
何を言っているのか分かりませんが、その人差し指を握って笑い返しました。
すると、電車がガタッと揺れ、ベビーカーの一部品が外れ、大きな音を立てて飛んでいきました。
騒然とする車内。
わたしは静かに部品を拾いにいき、ベビーカーを直しました。
何事もなかったように「×××!×××!」とまた赤ん坊が笑っています。
家族が「謝謝!(ありがとう」と明るい面持ちで、次の駅で降りました。
そのすぐ後、わたしの向かいのシートに財布が落ちていました。
電車は出発してしまいます。
残された財布にだれも知らないふりです。
「この財布はみなさんのものではありませんね?では、わたしが駅に届けます。」
そう、まわりに告げると無言の承知がありました。
わたしはその財布を片手に持ち、座席に腰を下ろしました。
次の駅に停車、旅行中らしき老夫婦が入ってきました。
すかさず、わたしとわたしの隣の方が御二人を並んで座らせようと、席を移動しました。
「ありがとうございます。」とのお言葉。
なんか今日はいろいろあるなあ、と思っていたところ、この一連の様子を見ていた女性の視線を感じました。
「善人面して何にこの人」なのか「こんな人もいるのか」なのか、不思議な目でした。
わたしのしている行為を「善行」というのかなと出来事を振り返りました。
マタイによる福音書第6章1節によれば、イエスは「人前で善行をしてはいけない」、
ブッダは「陰徳は天地の光陰に勝る(評価されなくても良いことはプラスになる)」と言ったようです。
わたしは見返りを期待して行動しているわけではありません。
ただ、勝手に身体が動くだけなのになあと思う次第です。
みなさんは、善行について何か思うことはあったりしますか。
さて、「イエス」と「ブッダ」という単語が出たところで、ナチュラルスピリットから発売されている書籍をご紹介いたします。
『イエスとブッダが共に生きた生涯 ― 偉大な仲間の転生の歴史』です。
イエスとブッダは同じ時代にいた?その時代時代のことを解き明かしていくお話です。
ご興味を持たれた方は、ぜひ本書をお手にとってみてください。
『イエスとブッダが共に生きた生涯― 偉大な仲間の転生の歴史』
ゲイリー・R・レナード (著)/ティケリー裕子 (翻訳)
文:のびた