インディアンと日本ミツバチ
1986年8月
初めての海外旅行でアメリカ合衆国へ。
目的は自転車で大陸を横断することだった。
大学を1年休学して、イタリアンレストランで3ヶ月間無休でアルバイト。
貯まった60万円を旅費に。当時は1ドルが172円だった。(現在は108円)
中学生の頃からアメリカは憧れの国だった。
愛読していた『百万人の英語』の中に、立教大学の男性がアメリカ大陸を自転車で横断した記事を読み、
いつかはオイラもやりたいなと思っていて、ようやくその夢が叶った。
走行距離が3969mile(6350km)、所要日数が101日、通過した州が13州。
この間、何組もの家に泊めてもらったし、彼らは誰もが親切だったんだよね。
でも、とても悲しい現実も垣間見てしまったんだよね。
それは、ネバダ州を走っていた時のことだった。
同州は広大な砂漠地帯で、多くのインディアンたちが住んでいたんだけど。
彼らが教えてくれたことは、アメリカ国内で最も自殺率が高いのがインディアンだということを。
その理由は、砂漠地帯の居留区に強制的に閉じ込められ、将来の明るい見通しもないからで、アル中もかなり多いそうだ。
33年前、ネバダ州のインディアン居留区で
それまでは、映画で描かれるインディアンのイメージは常に悪者だったし、そう信じて疑わなかった。
その後、史実を調べるにつれて彼らに対するイメージが180度転換してしまった。
本来、彼らこそがアメリカ大陸にずっと住んでいた本当のアメリカ人のはずなのに、後からメイフラワー号でやって来た
ヨーロッパ人は殺戮を繰り返し、相当数のインディアンたちが亡くなっていった…..(涙)。
いつの時代も歴史は勝者の都合の良いように書き換えらてしまうんだよね。
実際にインディアン会った印象はというと、とっても心優しい人種だった。
ところで、この時の自転車横断旅行を思い出す度に、ある昆虫の姿が脳裏に現れてくるんだよね。
それが、日本ミツバチ。
なぜなら、彼らが消滅しかねない大変な状況になっているからなんだ!
明治初期に輸入された西洋ミツバチが勢力を拡大し続けていて、日本の在来種である日本ミツバチが劣勢に立たされている!
この構図、まさにオイラがアメリカ大陸で見てしまったインディアンと白人との構図にそっくりなんだよね。
今回ご紹介の本は、数年前に西洋ミツバチが野生化してしまっている事実を知ってしまった、一人の男性の活動の物語。
数年前に著者の吉川浩さんの講演を聴いたところ、日本ミツバチの現状を知ることとなり、弊誌『StarPeople64号』で彼の記事を掲載させていただいた。そして、縁あって、今回の新刊である、『ミツバチおじさんの森づくり』が誕生したというわけ。
本書は写真とイラストが豊富で、「日本ミツバチについてこれほどわかりやすく解説された類書はない!」と断言しちゃう。
とにかく、日本ミツバチが心優しいインディアンと同じ末路になることだけは絶対に避けたい!
「ミツバチがいなくなると、その4年後には人類も滅びるだろう。」
この名言は、天才理論物理学者のアルベルト・アインシュタインが残したとされる。
是非、お手に取っていただけたら嬉しいです!
そして、一人でも多くの家族や知人のみなさんに勧めていただけたら、この上なくオイラは幸せです!!!
何卒よろしくお願い申し上げます!
文:丹波-浪速 道
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