『引き寄せの法則の「その先」へ』を読んだ感想

東村山キヨの部屋

読み応えのある本でした。読後の印象は、どんな人にも読める「引き寄せの法則」哲学といった感じで、生活のクオリティーが上がっていくような味わいがあります。

一言で要約してしまいますと、おなじみのポジティブシンキングには、エゴを肥大化させるという副作用がある。また前向きに思考しているのに引き寄せられないのは、信念レベルで現実化を妨げているから。その信念を超えてどうやったら幸せになれるのか。2つの方法を紹介しますという内容です。

 

キラキラの引き寄せは、はまると苦しくなる

素敵な恋人を見つけ、たくさんの友だちができ、貯金もどんどん増えていき、ストレスもなく、起業すればどんどん当たる。そんなキラキラした自分になることを夢みて、それを引き寄せようとポジティブシンキングに精を出す。という行為は、一種の夢見状態で、華々しい人生を手に入れる人もいますが、実のところ彼らは一方で闇を抱えており、夢を見続けなければならないプレッシャーにさらされているといいます。

キラキラ人生は基本的に物質的な豊かさに根ざしており、自分だけが特別だと悦に入るための私利私欲からくるもので、エゴを肥大化させるといいます。エゴの拡大でその中に潜む欠乏感(認められなかった、愛されなかった、等)は力強く根付き、ある時ふと孤独感や虚無感に襲われたりします。

 

信念が現実化を妨げる

信念とは、ここでは長く習慣的に抱いている思考の習慣であり、過去のデータが導き出した結論で、エゴの一部を指します。逆引き寄せはこの信念からきます。

「孤独を癒してくれる優しい人がそばにいてほしい」というときに、孤独が続くのは、「孤独である」という感情のエッセンスが強く、それが信念化し、それを引き寄せるというわけです。他にも「金持ちになりたい」と言っているとき、本当に発しているのは「金持ちではない」という心の奥底にある信念かもしれません。同じように「恋人がほしい」であれば「恋人がいない」であり、「健康になりたい」であれば「健康でない」ということになります。

 

目の前の現実やエゴに振り回されない

人間本来の創造の力は強力で、引き寄せの法則を使うまでもなく、自動願望実現システムが備わっているのだそうです。しかし今、目の前に広がる現実に満足どころか不満ばかりがつのるのはなぜなのでしょうか。

目の前の現実は自分の心を映し出したもので、自分の心の投影だといいます。ですので自分自身の心を見るしかありません。自分の信念の世界と向き合い、マイナスな感情を癒してあげないといけません。

「自信がない、なにやってもだめだ」「生きている価値がない、幸せになれる資格がない」「人生で成功するのは本当に難しい」等々、これら隠れた信念をまずは受け入れ、抱き取り、そして鎮めてあげることが必要だといいます。そして今に幸せがあり、完璧さがあるという感覚を感じる。そのために日々の生活で気をつけたい項目を20個あげてくれています。

何とも本質的な幸せを語ってくれて、気持ちがホカホカ温かくなります。

 

エゴを捨て去る道、いわゆる悟りの道

自分の信念をはじめ、心の内面を深く掘り下げていった行先には、意味のない願望や執着自体を捨て去ってしまう、という選択肢も浮かんできます。

著者はいいます。

「周りを見渡してください。わたしたちが本当に、どれだけのものにレッテルを張っているのかがわかります。すれ違う人の容姿がどれだけいいか、見た目で年齢もある程度わかるでしょうし、もしかしたら性格や職業まで当てられるかもしれません。…店に並んでいる商品の品質や値段、品揃えの豊富さ…店員の対応の良さもジャッジできるでしょう。…良い悪い、綺麗汚い、高い低い、新しい古い、好み好みじゃない、役に立つ役に立たない」

「わたしたちは世界中のあらゆるものに対して意味づけをしているのです。…判断しているのは(自らの)過去のデータによるものです。それらで世界をみることが、本当に世界を正しく見ていることなのでしょうか?疑ってみたことがあるでしょうか?」

いわゆる非二元世界の入口です。ただ著者はこうもいうのです。

「ぼくが思うのは、このような世界の二元性(意味づけをする世界)と絶え間ない価値判断に本当にうんざりしたときに見いだす生き方が、非二元の生き方ではないかということです」

引き寄せの法則でエゴに振り回され、うんざりしたとき、その先に新しい扉と世界があるわけです。

しかし同時に、エゴの世界で右へ左へと振り回される生き方も是とします。

 

哲学書然としたような、著者の思考の流れ、提起、展開、結論は豊かな深みを見せます。もちろんやさしい言葉で書かれていますから、誰でも理解できます。

これは人生や世界の見方を変える一冊になるかもしれません。

 

文:キヨ

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